百合根や蓮根など、秋にふさわしい食材を使った薬膳レシピのご紹介。
四季折々の旬の素材を使って、その季節におすすめのメニューを季節がわりでご紹介いたします。
(レシピ担当:鈴木理恵 国際薬膳師、栄養士)
秋の旬の素材を使ったおすすめメニューをご紹介!
中医学の五行学説では、秋は「燥」の季節にあたり、五臓では「肺」が影響を受けやすくなります。肺は全身の「気」の働きを調節し、呼吸や水分代謝をコントロールする役割をしています。この時期におすすめの食材は、身体に潤いを与えたり、体内で潤いを生じるもの、また、「気」を補ってくれるものです。白米、豆腐、豆乳、梨、りんご、柿、白きくらげ、ごま、ゆり根、にんじん、きのこ類、鶏肉、豚肉、はちみつ、酸味のあるものを食事に取り入れましょう。
潤いを与える豆乳に「気」を補うきのこを加えたリゾットをご紹介します。にんにくとチーズでコクのある味わいです。
米(洗わない):1合
しめじ:60g
白まいたけ:50g
たまねぎ:1/4個
にんにく:1/2かけ
豆乳(無調整):1カップ
水:2カップ
オリーブ油:大さじ2
バター:10g
パルメザンチーズ:大さじ2
塩・こしょう:適宜
【作り方】
(1)豆乳と水はまぜておく。にんにくはつぶしておく。
(2)鍋にオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかけ、香りが出たらみじんぎりのたまねぎ、小房に分けたしめじと白まいたけを加え中火にしてたまねぎが透き通るまで炒める。
(3)(2)にバターと米を加えて炒める。米が透き通ってきたら豆乳と水を数回に分けて加え、弱火で焦げないよう時々まぜながら約15分煮る。
(4)パルメザンチーズ大さじ1を加えてまぜ、塩・こしょうで味を調える。器に盛り付けて残りのパルメザンチーズを振りかける。
本格的な秋を迎える頃。朝晩の冷え込みは冬の気配すら感じさせるようになってきます。晩秋から初冬にかけては「肺」や「腎」を食事や生活の面でケアしていくことが大切。秋に収穫したものを冬に蓄え、次の春からの活動に備える、そういったイメージを持つとわかりやすいかもしれません。食事の面では、「気」を補うものや潤いを与えるもので夏の疲労回復をしっかりとはかりましょう。身体を温めるものもおすすめです。もち米、白米、さつまいも、里芋、きのこ類、れんこん、ゆり根、ぎんなん、ねぎ、しょうが、柿、りんご、くるみ、鰯、鯖、豚肉、鶏肉、卵、はちみつ、酢などを食事に取り入れましょう。
「気」を補うさつまいもと潤いを与えるゆり根を使った和スイーツをご紹介します。
ゆり根:50g
上白糖:大さじ4
水:1/2カップ
さつまいも:300g
塩:少々
【作り方】
(1)ゆり根は1枚ずつはがし汚れを取る。鍋に水と上白糖大さじ1を入れて火にかけ、上白糖が溶けたら弱火にし、ゆり根を加えて竹串が通るくらいまで煮る。煮汁に浸けたまま冷まし、ゆり根を取り出して煮汁をふき取る。
(2)さつまいもは1.5cm厚さの輪切りにし、皮をむいて水にさらす。蒸気の上がった蒸し器に入れ中火で15分蒸す。熱いうちにつぶし、上白糖大さじ3と塩を加えてまぜる。
(3)(2)に(1)を加えゆり根を崩さないようにまぜ、8等分にする。
(4)ラップを広げて(3)をのせ、茶巾に絞る。
冬の始まりを告げる立冬。にぎやかだった虫の音が徐々に静かになり、冬至に向かい日没が早くなっていきます。中医学の五行学説では冬は「蔵」、すなわち蓄える季節としています。五臓では「腎」がその役割を担当しており、成長や発育に関係するエネルギーの大本といえる精気を蓄えます。この時期は「腎」と「気」を補う食材をできるだけ摂取しましょう。もち米、白米、長芋、じゃがいも、ニラ、いんげん、栗、くるみ、干ししいたけ、鶏肉、羊肉、えび、なまこ、しょうがなどがおすすめです。
「腎」を補うえびと身体を温めるニラを使った餃子をご紹介します。水餃子、焼き餃子はお好みでどうぞ。
むきえび(粗みじん):120g
豚ひき肉:120g
ニラ(みじん切り):1/2束
長ねぎ(みじん切り):5cm
しょうが(みじん切り):1/2かけ
餃子の皮:20枚
サラダ油:大さじ1
水:1/2カップ
餃子のたれ
(酢・しょうゆ)各適量
A
酒:大さじ1/2
しょうゆ:大さじ1/2
ごま油:大さじ1/2
塩:小さじ1/2
【作り方】
(1)ボウルに豚ひき肉と長ねぎ、しょうが、Aの調味料を入れ、粘りが出るまでまぜる。
(2)(1)にむきえびを加えて一度まぜてからニラを加え、よくまぜる。
(3)(2)のあんを大さじ1を目安に餃子の皮で包む。
(4)フライパンを熱しサラダ油を入れ、餃子を並べて中火で焼く。底がきつね色になったら、水を加えフタをして弱火で約5分蒸焼きにする。
(5)器に盛り付け、たれを添える。
※ 水餃子の場合、たっぷりの湯で皮が鍋にくっつかないよう時々混ぜながらゆでる。