スイカやトマトなど、夏にふさわしい食材を使った薬膳レシピのご紹介。
四季折々の旬の素材を使って、その季節におすすめのメニューを季節がわりでご紹介いたします。
(レシピ担当:鈴木理恵 国際薬膳師、栄養士)
夏の旬の素材を使ったおすすめメニューをご紹介!
アジサイがしっとりと花を咲かせる梅雨。過剰な湿度が邪気となり、私たちの健康にも影響を与えます。中医学では「脾(消化器系)」は「湿を嫌い、燥を好む」性質があるとし、この季節は胃腸の不調を感じやすくなります。脾は冷えにも弱いので、冷たいものの摂りすぎにも気をつけたいものです。この時期は水分代謝を良くし胃腸の働きを整える、しそ、みょうが、香菜、冬瓜、じゃがいも、グリーンピース、いんげん豆、とうもろこし、鰹、スズキ、鮎、さくらんぼ、プラムなどの食材がおすすめです。
胃腸を健やかに保つじゃがいもに水分代謝を良くするそらまめととうもろこしを使ったおやきをご紹介します。
じゃがいも:中2個
そら豆(さや付き):5本分
とうもろこし(ホール、缶詰):30g
たまねぎ(みじん切り)
:1/4個
片栗粉:大さじ1
塩・こしょう:少々
サラダ油:大さじ1
タレ(しょうゆ・酒):各大さじ1
【作り方】
(1)たまねぎは大さじ1/2のサラダ油でしんなりするまで炒め、軽く塩・こしょうをする。
(2)じゃがいもを塩ゆでし、熱いうちにつぶしておく。そら豆は2分ゆで、薄皮をむいておく。
(3)じゃがいもに(1)のたまねぎ、そら豆、とうもろこし、片栗粉をまぜ、丸型に整える。
(4)フライパンにサラダ油大さじ1/2を熱し、(3)を入れて両面がきつね色になるまで焼く。
(5)タレの材料を合わせ、煮たててそえる。
くすんだ梅雨空から一転、7月も後半になると澄んだ青空が一面に広がり、真夏の太陽がさんさんと輝きます。暑さがピークを迎える夏は、陰陽で例えれば陽が最も盛んになっている季節。水分(陰)の過剰な消耗を防ぎ、体内の熱(陽)を排出するようにしたいものです。
この季節のおすすめ食材は、体内から熱を取り除く働きを持つものや、潤いとエネルギーを補給するものです。とうもろこし、枝豆、トマト、なす、きゅうり、にがうり、レタス、もやし、すいか、メロン、タコ、しじみ、梅干し、酢の物などを食事に取り入れましょう。
夏野菜とタウリン豊富なタコを使ったパスタをご紹介します。
スパゲティ:160g
完熟トマト
(一口大に切る):小3個
ナス(輪切り):1本
ゆでタコ(そぎ切り):80g
にんにく(みじん切り):小さじ1
セロリ(みじん切り):大さじ2
オリーブ油:大さじ2
塩・こしょう:適宜
大葉:適宜
【作り方】
(1)たっぷりのお湯に塩を入れてスパゲティをゆでる。
(2)フライパンにオリーブ油とにんにく、セロリを入れて弱火にかけ、香りが出てきたらなすを加えて中火で炒め、しんなりしてきたらタコを加えさっと炒める。
(3)(2)にトマトを加え5分煮る。塩・こしょうで味を調える。
(4)(3)にゆで上がったスパゲティを加え、あえる。
(5)皿に盛り付けて、せん切りにした大葉を飾る。
立秋を過ぎ、8月も後半に入ると徐々に暑さは和らぎ、朝夕に吹く風も涼やかに感じられるようになってきます。とはいえ、残暑の厳しいこの季節は、体内にこもる熱を冷ましながら、消耗しがちな「気」と「水」を補い、秋からの乾燥に備えて「肺」に潤いを与えていくことが養生のうえでは大切です。
食材では、トマト、きゅうり、オクラ、レタス、ズッキーニ、桃、ぶどう、マンゴー、梨、豆腐、牛乳、豚肉などがおすすめです。
桃とヨーグルト、牛乳を使った優しい甘味の杏仁豆腐をご紹介します。
白桃(缶詰):2つ割4個
牛乳:100ml
ヨーグルト(無糖):100g
杏仁霜(きょうにんそう):大さじ1
グラニュー糖:大さじ2
粉ゼラチン:5g
水:大さじ3
ミント:少々
【作り方】
(1)水に粉ゼラチンを振り入れてふやかす。桃は3個をミキサーでピューレ状にする。(フォークでつぶしてもよい。)
(2)鍋に牛乳と杏仁霜、グラニュー糖を入れて火にかけ、(1)のゼラチンを加えて溶かす。
(3)粗熱をとりヨーグルトと(1)の桃を加えてまぜ合わせ、器に流して冷やし固める。
(4)残りの桃をくし型に切って(3)の上に盛り付け、ミントを飾る。