生姜や牡蠣、エビなど、冬にふさわしい食材を使った薬膳レシピのご紹介。
四季折々の旬の素材を使って、その季節におすすめのメニューを季節がわりでご紹介いたします。
(レシピ担当:鈴木理恵 国際薬膳師、栄養士)
冬の旬の素材を使ったおすすめメニューをご紹介!
寒さが厳しくなってくる12月。風邪をひく人も多くなってきます。中医学では、体内の「気」はウイルスなどの外邪(がいじゃ)から身体を守る「抵抗力」や「免疫力」の役割を果たしていると考えます。「気」が粘膜や皮膚をバリアのように覆い、外邪から身を守ってくれているのです。
この時期は、「気」を補い身体を温める食材を食事に取り入れましょう。白米、山芋、里芋、かぼちゃ、たまねぎ、ねぎ、にんにく、きのこ類、豆腐、ゆば、卵、鮭、太刀魚、鯛、牛肉、鶏肉、羊肉などがおすすめです。
「気」を補う鮭と卵を使ったぞうすいをご紹介します。しょうがとねぎで身体の中からポカポカに。
塩鮭(甘口):1切れ
ごはん:茶碗1.5杯分
しょうが(せん切り):1/2かけ
長ねぎ(せん切り):10cm
だし:3カップ
酒:大さじ1
しょうゆ:小さじ1
塩:ひとつまみ
卵:1個
三つ葉(ざく切り):適量
【作り方】
(1)塩鮭は焼いて、皮と骨を取り除いてほぐす。
(2)ごはんはサッと洗ってぬめりを取り、水けを切る。
(3)鍋にだし、酒、しょうゆ、塩を入れて煮立て、(2)としょうが、長ねぎを加える。ひと煮立ちしたら弱火にして1~2分煮る。
(4)(1)を加えて沸騰させ、溶き卵をまわし入れる。
(5)器に盛り付け、三つ葉をのせる。
本格的な冬の寒さが続く1月。中医学の五行学説では冬は「腎」を補うのにふさわしい季節としています。春からの活動に向けて、体力や精力を蓄えます。食材では、もち米、粟、山芋、さつまいも、しょうが、ブロッコリー、カリフラワー、小松菜、ニラ、にんにく、羊肉、鶏肉、牡蠣、ホタテ、みかん、りんご、くるみ、黒ごま、黒砂糖、シナモンなどがおすすめです。
「腎」の機能をアップさせる黒糖とくるみを使ったパウンドケーキをご紹介します。
黒砂糖(粉末):大さじ5
はちみつ:大さじ1
牛乳:大さじ3
卵:1個
紅花油(またはサラダ油):大さじ4
薄力粉:1カップ
ベーキングパウダー:小さじ1
くるみ(炒って刻む):30g
レーズン:30g
【作り方】
(1)牛乳を温め、黒砂糖とはちみつを加えてよく溶かし冷ます。
(2)ボウルに卵と(1)を入れて泡立て器でよくまぜる。
(3)に紅花油を少しずつ加えてよくまぜる。
(4)に薄力粉とベーキングパウダーをふるい入れ、くるみとレーズンも加え、ゴムべらで粉っぽさがなくなるまでまぜる。
(5)紙を敷いたパウンド型に生地を流し入れる。
(6)180℃に予熱したオーブンで約25分焼く。
竹串をさして生地がつかなければ焼きあがり。
寒さはまだ厳しいものの、春の足音が徐々に聞こえてくる2月。ここ数年はスギ花粉予報が春の到来のサインとなっています。スギ花粉から身を守るためには、体内の「衛気(えき)」を充実させる必要があります。春は「肝」とかかわりがある季節ですが、スギ花粉対策として「肺」「脾」「腎」の機能を整えておくことが大切です。暦は春ですが、まだ冷え込みますので、身体を温める食材も積極的に食事に取り入れていきましょう。米、粟、長芋、じゃがいも、にんじん、たまねぎ、セロリ、キャベツ、ほうれん草、しょうが、ねぎ、ホタテ、カニ、イカ、牡蠣、鰆、乳製品、枸杞の実などがおすすめです。
セロリ、きゃべつ、ブロッコリーなど野菜たっぷりのミネストローネをご紹介します。
A
たまねぎ:1/4個
にんじん:1/4本
じゃがいも:1/2個
セロリ:1/4本
キャベツ:1枚
ベーコン:2枚
ブロッコリー:1/4個
トマトの水煮(缶詰):200g
にんにく(みじん切り):1/2かけ
固形スープの素:1個
塩・こしょう:少々
オリーブ油:大さじ1/2
水:2カップ
パルメザンチーズ:適量
【作り方】
(1)Aの材料をそれぞれ1cm角に切る。ブロッコリーは小房に分けて塩ゆでする。
(2)鍋にオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかけ、香りが出たらAを加えて中火で炒める。トマトの水煮(ジュースごと)、水、固形スープの素を加えて野菜がやわらかくなるまで煮込む。
(3)ブロッコリーを加え、ひと煮立ちしたら塩・こしょうで味を調える。
(4)器に盛り付け、パルメザンチーズをかける。